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11の知るの第9「無常を知る」について説明します。
◎無常の基礎知識
無常について基本的な概念を説明します。
●諸行無常
無常とは常が無いと書きますが、続かないという意味です。特に仏教では諸行無常という使われ方をされ、一切のもの(諸行)は続かないという意味になります。
諸行とは、この世の一切のものを指しますが、大きくは次の2種類に分けられます。
物質:金、家、肉体、地球等々、目に見えるもの
非物質:心、幸せ、名誉、人気、愛、友情、健康等々、目に見えないもの
特に仏教では、無常といった場合「死」を指すことが多く、自分の命が無常であることを最重要視します。
また、「幸せ」や「楽」といったプラスの状態が無常なだけではなく、「不幸」や「苦」といったマイナスな状態も無常である点も重要です。例えば「悲しみ」や「憎しみ」「苦しみ」といった感情を、一時的にどんなに強く感じたとしても長くは続かず、次第に和らいでいくということです。
●平家物語
諸行無常を表現した言葉では、平家物語の冒頭にあるこの言葉が有名でしょう。
「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」
●盛者必衰
諸行無常の代名詞のように使われる言葉が盛者必衰でしょう。どんなに成功している人、盛んなる者(盛者)でも必ず衰えるという意味で、「必衰」には社会的な衰えだけでなく、「老」や「病」といった健康的な衰え、そして本質的には「死」を含みます。
●無常観
無常を観じることを無常観といい、無常を知るということは、無常観を深めるということになります。仏教を学んでいくと、無常観を深めることができ、次に説明するように多くのメリットが生まれます。
◎無常のレベル
しばの比ゆ
◎無常の本質
以上説明した内容は無常に関する表面的な話です。最も重要な本質的な説明をします。
●無常は恐怖
無常の本質は「寂しさ」や「虚しさ」ではなく、「恐怖」にあります。つまり、無常を観じて「寂しいな」と思っているレベルは、まだ深い無常観ではありません。
●無常は自分の死
「恐怖を知る」にも説明している通り、恐怖の根本原因は自分自身の死にあります。つまり、一切の無常なる現象を目の当たりにした時に、自分自身の死を瞬間的に連想できるようになって初めて本物の無常観となります。
●無常を知る最終目的
無常観を深める本来の目的は死の解決にあります。
無常観を深めることで「死を何とかしたい」という心が強くなり、死の解決へと向かう力を強くします。
◎無常を知るメリット
無常を知るとは、有形・無形問わず、この世の一切は続かないことを知り、突き詰めると自分の命が無常であることを知るということですが、そのメリットを幾つか挙げます。
●本来の価値が生まれる
全ては無常だから意味がないのかというと、そうではありません。無常であることが分かると、「本来の価値」が出てきます。その価値について例を挙げます。
○学ぶべき価値
無常なるものに対して求むべき価値はありませんが、学ぶべき価値があります。「この世には続くものは何1つない」と学ぶ経験をしなければ、永遠に続くものを手に入れたいという強い欲求は生まれないからです。仏教では、無常を観じるは菩提心(本当の幸せを手に入れたい心)の第一歩だと説かれます。
○手段としての価値
また、常なる幸せと無常の幸せは、目的と手段の関係とも言えます。目的を達成するには手段の存在が必要不可欠です。同じ様に、目的である常なる幸せを手に入れる為には、手段である無常の幸せの存在が必要なのです。例えば、「お金を得る」という幸せを考えてみます。本当の幸せを手に入れる為には生きなければなりません。生きる為にはお金が必要です。ですので、お金を得るという幸せは手段として必要になるわけです。仕事や恋愛、結婚や旅行、子育て等々、お金以外の無常の幸せについても同じ事が言えます。
●ダメージを受けにくくなる
続かないものに大きな価値を置いていれば、失った時に大きなダメージを受けます。しかし、続かないものだと理解していれば、失ってもダメージを小さくすることができます。
●続かない幸せも手に入る
目的が続く幸せ、つまり死の解決に定まり、続かない幸せは手段に過ぎないということが腑に落ちれば、結果として続かない幸せも手に入るようになります。
●感謝が生まれる
続かない幸せには手段や学びとしての価値があるといったことが分かってくると、「当たり前の出来事」に感謝や幸せを感じられたり、一生懸命生きられるようになります。例えば、 親に養ってもらっている子供は、それが「当たり前」となっており、感謝することは、まず無いでしょう。しかし、親もいつかは必ず死にます。1度死んだら、もう1回会ってみたいな、と幾ら思っても「永遠に」会えないのです。その事実が分かってくると、今の当たり前の生活が、いかに恵まれた生活であるかが分かり、親孝行せざるを得ない心境になってきます。
●足るを知る
続かない幸せが手段や学びとしての価値しかないということが分かってくると、必要以上に無理してまで多くを求めないようになります。つまり、足るを知るようになるということです。
●一喜一憂しなくなる
続かない幸せだと分かっていれば、幸せを手に入れたからといって過剰に喜んだり、失ったからといって酷く落ち込むことはなくなり、一喜一憂しなくなります。感情がなくなるということではなく、振り回されなくなるということです。
●羨ましくなくなる
続かない幸福感の限界等、幸せの本質が分かるようになると、必然的に他人を羨む気持ちが和らぎます。
●人の苦しみが見えてくる
人の苦しみが見えてきたり、同情するようにもなります。全ての人間が、続かないといった欠点や限界のある幸せの範囲内で生きていることが分かるからです。
●やる気や向上心
無常を強く感じると悲しみや恐怖、寂しさといった感情が出て、やる気へ変えることができます。そういった感情が大きいほど、「根本原因を何とかしたい」という気持ちが強くなる為です。
●壊れにくくなる
壊れ易いことを知ると、壊れないよう気をつける為、結果として壊れにくくなります。
・人間関係
人間関係を上手く続けるには、適度な「距離感」が必要です。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があります。家族や恋人等、どんなに親しい間柄であっても、やはり他人です。家族であろうと、恋人同士であろうと、何であろうと、人間関係は非常に壊れ易いです。ちょっとしたことで、すぐに喧嘩になったり、仲が悪くなったりします。人間関係はガラスのコップに例えることが出来ます。ガラスのコップは荒々しく扱えば簡単に割れます。同様に、人間関係も繊細な扱いが必要なのです。恋人や家族等、人間関係が上手くいってない人は、これを思い出して欲しいと思います。
●リスクの予防
・危機感
時間は1度失ったら2度と手に入らない、この上なく貴重なものです。生きている時間は限られている、という自覚ができると、時間を無駄にしないようにと一生懸命生きられるようになります。
・失う前に失った後が分かる
「失って始めて大切さに気づいた」という事は多くの人が経験したことがあるでしょう。
失っても取り返しがつくようなものであれば、まだいいですが、人の命等、失ってからでは遅いことがあります。例えば、「もっと親孝行しておけばよかった」と、親を亡くしてから気づいても手遅れです。無常観を身に付けると、失う前に失った後が分かるようになってくるのです。
・不幸の予防
オンリーライフには日々多くの方から相談がありますが、今の悩みを持つに至った、多くの人に共通する理由の1つとして「幸せが崩れたから」ということが挙げられます。
具体的には次のようなものです。
・仕事がなくなった
・失恋した、離婚した
・家族が死んでしまった
・人に裏切られた
・金がなくなった
・地位や名誉がなくなった
etc
これらは全て求めていた幸せが崩れた状態です。
その状態にショックを受けて、うつや自律神経失調症等の心の病になるわけです。例えば、安定を求め、大企業に就職し、将来の為に貯蓄計画を立てたりする人がいます。しかし、大企業だから大丈夫だろうと安心しきっていたところ、突然倒産し、それをきっかけに家庭内も上手くいかなくなり、心の病に陥る、というような具合です。どんなに大きな企業であろうと潰れる可能性はありますし、どんなに幸せな恋愛であっても失恋する可能性がある、ということです。
これが分かるようになると、最悪の場合を想定して「予防」するようになります。予防せずに安心しきっているから、いざという時に大きなショックを受けるのです。どんな幸せであっても必ずしも続かない、ということを念頭に常に「幸せの予防」をすることが重要なのです。
◎無常を知る方法
諸行無常が真理ですが、人間は中々無常だとは思えず、常があると思ってしまいます。これを顛倒(てんどう)の妄念と言い、人間が持っている4つのさかさまな見方(常楽我浄)のうちの1つとなります。特に幸せが続いている時等は常ありと思いやすいでしょう。では、どうしたら無常を無常と思えるようになるか。無常を知る方法を幾つか挙げます。
●一般的な方法
次に挙げる方法は一般的なものですが、仏教の目から見ても有効なものです。
○体験
これが1番わかりやすく、1番重要です。体験的に感じた無常観に理屈は不要でしょう。
○イメージトレーニング
テレビ等のメディアでは日々多くのニュースが流れます。それらを見て、他人事ではなく自分の事のように想像する力をつける、といった具合です。例えば、勢いよく活動していた人が衰えていった姿を見た時に無常を観じるということです。
○帰納法
帰納法の意味については帰納法をご覧ください。身近に生じている分かりやすい事例を帰納法的に観察することで、例えば、諸行無常や盛者必衰の真実性が理解できます。
●仏教的な方法
一般的には使われない、仏教独自の方法を挙げます。
○聴聞
体験して知ってからでは遅い場合が多く、かといってイメージトレーニングや帰納法的に考えただけでは感じ方が弱い場合が多いです。ですので、仏教では上記の欠点を補完した、聴聞という方法を最善の方法として勧めます。詳細は「聴聞を知る」で説明していますが、聴聞によって無常観が深まります。
○仏教療法
「11の知る」を始め、仏教療法の全てが無常を知る方法となっています。

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