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11の知る第7「苦楽を知る」について説明します。
◎はじめに
人は楽を好み、苦を嫌います。しかし、中々思い通りに楽になることができません。それは、苦と楽の仕組みにあります。その仕組みを知ることで、楽の多い生き方をすることができます。
◎苦楽の基礎知識
まずは、知らず知らずのうちに感じている苦楽を明確にしてみたいと思います。
●苦の種類
苦楽を、様々な視点で分類してみます。
○部位による分類
苦楽は部位によって大きくは次の2つに分類できます。
・肉体の苦楽
怪我をして痛いとかマッサージして気持ちいいといった肉体の苦や楽
・心の苦楽
うつが辛いとか恋愛が上手くいって幸せになったといった心の苦や楽
○程度による分類
苦楽の程度によって大きくは次の2つに分類できます。
・小さい苦楽
軽いストレス等、それほど日常生活に影響を与えないレベルの苦楽。
・大きい苦楽
心の病等、日常生活に大きな影響を与えるレベルの苦楽。
○関連・類似の概念
どういった状態になると苦楽に感じるか、密接に関連している概念を幾つか挙げます。
苦:辛い、痛い、悩み、暗い、恐い、寂しい、悲しい、不安、虚しい、孤独、疲れ、不幸、悪、嫌い、失う、負け、闇、怨み、憎しみ、衰え、弱い
楽:嬉しい、明るい、喜び、安心、望み、幸せ、善、好き、得る、勝ち、光、愛、美、盛ん、栄える、強い
●苦楽の特徴
苦楽の共通する特徴を挙げます。
○相対
相対を知るにもあるように、苦楽は相対的です。相対的であるということは、次の3つが成り立ちます。
・今の苦より大きな苦がくると、今の苦は気にならなくなる
例:トゲが刺さる苦はナイフが刺さると気にならなくなるetc
・今の苦より小さな苦は気にならない
例:ナイフが刺さっていることでトゲの苦は気にならないetc
・楽へ向かうと楽は苦となり、苦へ向かうと苦は楽となる
例:欲を満たしたり、目先の楽を手に入れたとたん苦になるetc
○無常
苦楽は無常です。どんなに楽なことであっても、その楽は続きません。苦も同じです。どんなに激しい苦であっても、和らぐ瞬間があります。人生は苦楽相半ばする世界です。
◎苦楽と仏教
仏教では苦楽についてどのように説いているのか説明します。
●人生は苦なり
釈迦は悟りを開いた直後に「人生は苦なり」と説きました。どんなに楽しそうに見える人であっても、人間は皆苦しんでいるという意味です。一瞬楽になることはあっても、基本的に人生は苦しみの連続なのです。
●苦の種類
具体的にどんな苦があるのか、例を挙げます。
○四苦八苦
人間の全ての苦を、「生老病死」の大きく四つに分類したものを四苦と言い、これに「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」の四つを加えたものを八苦と言います。現代では、非常に苦労することを四苦八苦と言いますが、本来はこのような意味になります。詳細は四苦八苦で説明していますが、ここでは簡単に説明します。
・生苦
生まれ出る苦しみや生きる苦しみです。生きることは苦しみの連続ですが、その基となる苦しみです。それはまるで、泳ぎ方を知らない赤ん坊が大海に放り出されるような苦しみと言えます。
・老苦
老いる苦しみです。どんな人でも年を取れば、体は衰え弱くなります。幾ら外見を若く見せても、その衰えはごまかし切れません。外見が老けたり、物覚えが悪くなる程度であればまだいいですが、要介護者や寝たきり生活となれば、自分は勿論、周囲の人間にとっても大きな苦痛でしょう。
・病苦
病になる苦しみです。人間は病の器と言われるように、次から次へと病が出てきます。そして、どんなに健康自慢な人でも、やがて病に倒れます。簡単に治るような病であればまだいいですが、人工透析や末期がんといった重い病にかかれば、誰もが病苦の激しさを実感するでしょう。
・死苦
死の苦しみです。人間にとって最大の苦しみが死苦となります。詳細は死を知るで説明していますが、他のどんな苦しみも死の苦しみに比べれば、無いに等しくなってしまいます。それは、死があらゆる苦の根源である為です。
・愛別離苦
「あいべつりく」と読み、愛する人と別れる苦しみです。会うは別れの始めと言われますが、会者定離であって、出会ったからには離れることが決定しています。生き別れにしても死に別れにしても、とても大切な人との別れは非常に苦しく、耐え難いものがあります。
・怨憎会苦
「おんぞうえく」と読み、嫌いな人と会う苦しみです。学校にしても社会にしても、どの世界にも嫌な人間はいるものです。一時的なものであればまだいいですが、長時間一緒にいなければならないとなると、その苦痛も非常に大きなものがあります。
・求不得苦
「ぐふとっく」と読み、求めても得られない苦しみです。
・五蘊盛苦
「ごうんじょうく」と読み、心身が健康である為に生じる苦しみです。
○有無同然
有っても無くても本質的な苦しみは同じということを有無同然と言います。無い時は「あれが有ったらなぁ」と欲しくなり、有る時は無い時の気楽さを求めるといった具合です。期待しているような楽な世界は、何をやっても手に入らないとも言えます。
●楽の種類
基本的に苦であることには変わりませんが、どんな楽があるのか具体例を挙げます。
○現世利益
心の病の改善といった、一般的に楽や幸せとされる体験を現世利益と言います。現世利益はあくまで「おまけ」ですが、目先の幸せも重要です。
○仏教療法
仏教療法の全体がより楽になれる方法となっています。
◎苦楽の本質
苦楽に関するもっと本質的な説明をします。
●根本の苦
これまで説明したように、人間には無数の苦がありますが、全ての苦の根本となる苦があります。それが死苦となります。つまり、全ての苦は死から生じているということです。一見すると分かりにくい現象もあるかもしれませんが、因果関係を深く辿っていくと根本原因に死があることが見えてきます。
●最大の苦
死苦は最大の苦でもあります。トゲが刺さる苦よりナイフで刺される苦のほうが大きいように、最大の苦を辿っていくと死が見えてきます。
●死の解決
根本かつ最大の苦である死苦を取り除く方法が、死の解決となります。死の解決は様々な別名や表現方法がありますが、苦楽の視点で説明します。
○抜苦与楽
本来の仏教の目的は抜苦与楽にあります。つまり、苦を抜いて楽を与えるということです。心の病が治るといった、現世利益の抜苦与楽も勿論がありますが、本来は死の解決を指します。
○苦即楽
死の解決を正確に表現すると、苦が無くなるということではなく、苦が楽に転じ変わるということです。ですので、結果として苦は無いと同じになります。これを苦即楽と表現します。
○苦悩の解脱
仏教では六道輪廻という世界観を説いています。人間界を含め六つの世界があるのですが、いずれも苦しみの世界です。それらの世界を、生まれ変わり死に変わりして終わることなく輪廻しているという意味です。その輪廻から抜けすことを解脱といい、死の解決によって可能となります。
○極楽
極楽とは書いて字のごとく、楽の極みの世界です。極楽浄土とも言います。苦が一切無く、常に最上の楽で満ちている世界で、死の解決をするとこの境地となります。
◎苦楽を知るメリット

◎苦楽を知る方法
人間は無数の悪を造っていますが、ほとんど気づくことができません。「やられた側」の視点が欠けてたり、欲を始めとした煩悩が強かったりと、知識や知恵が足りない為です。相対的な悪でさえ、ほとんど分からないわけなので、まして絶対的な善悪の世界を理解することは非常に難しい作業です。しかし、不可能ではありません。その方法を幾つか挙げます。
●一般的な方法
次に挙げる方法は一般的なものですが、仏教の目から見ても有効なものです。
○体験
これが1番わかりやすく、1番重要です。相対善悪であることを体験的に感じることができれば理屈は不要です。
○イメージトレーニング
テレビ等のメディアでは日々多くのニュースが流れます。それらを見て、他人事ではなく自分の事のように想像する力をつける、といった具合です。多くの人が、アフリカで子供が殺されるよりも、自分の子供が転んでケガをする方が心が痛むでしょう。当事者意識を持つことが、正しい善悪の理解には必要です。
○帰納法
帰納法の意味については帰納法をご覧ください。身近に生じている分かりやすい事例をよく観察することで、相対善悪の限界を理解することができます。
●仏教的な方法
一般的には使われない、仏教独自の方法を挙げます。
○聴聞
体験して知ってからでは遅い場合が多く、かといってイメージトレーニングや帰納法的に考えただけでは感じ方が弱い場合が多いです。ですので仏教では、上記の欠点を補完した聴聞という方法を最善の方法として勧めます。
○仏教療法
「11の知る」を始め、仏教療法の全てが善悪を知る方法となっています。
◎苦楽を知るのまとめ
人間は意識するとしないとに関わらず、苦の無い楽な生き方を強く求めています。その生き方を深く追求すると、必ず死苦の問題にぶち当たります。しかし、多くの人は目先の楽に心を奪われ、根本的な苦を取り除くことに目を向けることができません。これではいつまでたっても苦しみだけの人生で終わってしまいます。最大の苦である死苦を消し、最大の楽を手に入れて初めて心から満足できるようになるのです。

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