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11の知る第3「利他を知る」について説明します。
◎自利利他の基礎知識
仏教には自利利他という教えがあります。
利というのは幸せという意味で、自利で自分の幸せ、利他で他人の幸せという意味です。つまり、自利利他とは人を幸せにすると、自分に幸せが返ってくる、という教えです。 
逆に言うと、自分のことばかり考えていては幸せになれない、という意味でもあります。
この自利利他も、因果の法則同様、仏教で説く真理の1つです。
●幸せについて
そもそも「幸せとは何か」ということを知らなければ、人を幸せにすることはできません。
幸せを知る」にも書いているように、幸せとは相対的無常なものであり、道徳倫理的なものです。幸せにはこういった特徴があることを念頭に置いてください。
●利他の心がけ
利他の心を利他心と言いますが、利他をする時にはこの利他心が最も重要となります。どんなに善い事をしても、この利他心が出来ていなければ、それは本当の利他とは言えないのです。重要な心がけを幾つか挙げます。
○利益を捨てる
お礼の言葉や誉め言葉といった、何かしらの「見返り」を期待せずに利他をするということです。
○自分を捨てる
「自分はどう見られているか」とか自分の問題は捨てて利他をするということです。
○相手目線
自分が同じ事をされたらどう感じるか、という点を中心に自分の心や感情の動きをよく観察することです。基本的に自分がされて嬉しいことを相手にしてあげるということになります。
○初心者に多い注意点
自利利他を実践する上で、初心者に特に多い注意点を幾つか挙げます。
・方向性
人を幸せにする行為なら何でもいいというわけではありません。何をしたら人を幸せにできるのか、その方向性を知らなければなりません。
・自利になりやすい
例えば「症状を治す為に利他をする」となりやすいのです。これでは本当の利他とは言えません。
他人からの「褒め言葉」や「御礼の言葉」等の何かしらの「見返り」を期待している、という点も初心者に多い間違った利他です。本当の利他は、見返り等の自利を一切期待せずに行うものです。
そのように実行して始めて、自利利他となり、症状改善等の自利がやってくるのです。
・自利になっても実行する
上記心がけで実行する利他が理想的な利他ですが、中々難しいでしょう。どうしても自利の心が出てくると思います。最初はそれでも構いません。実行と反省を繰り返すうちに、段々と本当の利他が出来るようになってきます。「人を幸せにしましょう」とは、そうしたほうがいいことは子供でも頭では分かっているでしょう。
しかし、「なぜ人を幸せにするのか」「人を幸せにするにはどうしたらいいのか」を知り、さらに「実行」出来ている人はほとんどいないのです。
◎利他の具体例
あまり意識してこなかった人には「人を幸せにする」というと難しく思われるかもしれませんが、最初はどんな些細なことでも構わないのです。
例えば、身近な人に気持ちのいい挨拶をしたり、電車の座席を譲ったり、仕事を手伝ってあげたり、というのも立派な利他です。日常生活には利他をする「チャンス」がたくさんあります。 
何をしたら利他となるのか、その方法を具体的に説明します。
●利他のレベル
この世は相対世界ですので、人を幸せにする、と一言で言ってもピンからキリまで「レベル」があります。あくまで一般論ですが、レベル別に具体例を挙げます。
○初級
和顔愛語
「わげんあいご」と読みます。柔和な顔と愛らしい(優しい)言葉使いを勧める言葉です。
・挨拶
自分から先にすることがポイントです。
・話をよく聞く
まずは話をよく聞かないと、その人に最適な利他をすることができません。
・リアクションする
相手の話や行動に、うなずいたりする等、何かしらのリアクションをしたほうが利他となります。リアクションが無いと、分かっているのかそうでないのか、話す側としては困るからです。
・座席を譲る
お年寄り等、辛そうにしている人を優先に譲るべきでしょう。
○中級
・自分から手伝う
相手の状況に合わせて的確なアクションを起こすことは中々難しいですが、上手くいくとかなり喜ばれます。
・しゃべって笑わせる
基本的に「しゃべる」という行為は相手の為になります。しゃべらないと何を考えているのか相手に伝わらない為です。ただ、何でもかんでもしゃべればいいというものではなく、利他の心がけを持つことが前提です。しゃべるだけでなく、人を笑わせる為には、この心がけが無いと難しいでしょう。
・悩みを聞いてアドバイスする
治される立場は自利を求める姿で、治す立場は利他をする姿です。治す立場になると、自分の症状も良くなる、という自利が返ってくるのです。悩みが少しでも改善したら、その体験を今も悩んでいる人に教える等して、治してあげる立場、相談に乗ってあげる立場になることをお勧めします。
○上級
・人の命を救う
人間にとって死が最も辛く苦しい出来事の為、その死を救えることができれば、大きな幸せと言えます。
○最上級
・死の解決へ導く
人間にとって最高の幸せは死の解決をすることですので、この世界へ導くことができれば最上の利他と言えます。これを仏教用語で開顕といいます。最初から出来なくとも、いつかはこのレベルを達成して欲しいと思います。
以上、人を幸せするにはどうしたらいいか悩んだら、これらを念頭に行動すると良いでしょう。
◎自利利他の最終目的
最後に自利利他の本当の目的について触れておきたいと思います。釈迦が自利利他を説いた最終目的は「死の解決」にあります。
●自利利他の欠点
自利利他を実践することで、人間関係が上手くいく等、人生がより幸せになるでしょう。しかし、「幸せを知る」にもあるように、自利利他もまた、数ある続かない幸せの1つであり、本当の幸せではありません。
●自利利他の本質
自利利他の本質は「自分を知る」ことであり、突き詰めると死の解決に導くことにあります。
○自分が分かる
人を幸せにすることは、自分の本当の心を知る為の手段ということです。ですので、利他をした時の本当の自利とは「自分を知ることができる」ということなのです。自利利他に限らず、釈迦が仏教を説いた本来の目的は自分を知ることであり、突き詰めると苦しみの根本原因である死の解決にあります。まずは、この手段と目的の関係を正確に理解し、仏教の本来の効力を実感して欲しいと思います。
○宿善
死の解決をする上で重要な概念が宿善です。宿善なしに死の解決はできないのですが、宿善を積むには利他が必要不可欠なのです。
◎利他のメリット
自利はメリットとも言い換えられます。人を幸せにすることでどのような変化があるのか。基本的には仏教療法に記載しているメリットと同じですが、幾つかピックアップします。
●ストレス
仏教では色心不二といって、心と肉体は紙の裏表のように密接に関連していると説きます。例えば、心が不健康だと肉体も不健康となり、その逆も同じということです。その仏説を裏付ける現代用語の1つにストレスがあります。ストレスが肉体にも悪影響を及ぼすことはよく知られていますが、利他をすることでストレスが和らいだり、感じにくくなったりするという自利があるということです。この因果関係は言葉で説明すると複雑ですが、体験すれば単純で明確です。
●悩みがなくなる
心の悩みを持っている状態は、「自分は人からどうみられているだろうか」「自分の悩みを早く解決したい」「ただでさえ苦しいのに人の幸せなんて考えてられない」と、自分にばかり意識が向いています。 このままでは自利利他に反しするので、より一層苦しさが増し、益々利他をしづらくなり・・・という悪循環に陥ってしまいます。
確かに苦しいと思いますが、「あの人はどんなことで悩んでいるのだろうか」「あの人の悩みを解消する為に自分は何が出来るだろうか」と「どうしたら他人は幸せになるだろうか」ということに目を向け、「心の底から」相手を思って利他をしていくことで、結果として自分の悩み改善へとつながります。
●自信がでる
人を幸せにできたという思いが自信へとつながります。
●心の病
そもそも、うつや対人恐怖症といった心の病というのは、現代医学が決めた「枠」に過ぎません。つまり、前提として苦を生み出すメカニズムが存在し、その苦の表れの1つとして、うつや対人恐怖症といった形があるというわけです。苦を生み出さない、楽になる方法の1つが自利利他ということであり、これを実践することで、結果として心の病は改善されていくということなのです。
・心の病という枠を外す
●感謝が生まれる
利他をすると、他人の親切心や恩等に気づくことができ、必然的に感謝が生まれます。
●向上心
利他をすると心が晴れ前向きになり、向上心となります。
●人の心が見えてくる
利他をすると他人の心の動きが見えるようになってきます。
●人の苦しみが見えてくる
利他をすると人の苦しみが見えてきたり、同情するようにもなります。
●正しい罪悪感がもてる
感ずべき罪悪感と、感じる必要がない罪悪感があります。利他をすると、何をしたら善で、何をしたら悪になるのか、正しい善悪が体で分かるようになります。
●見栄を張らなくなる
利他をすることは相手目線に立つということなので、必要以上に自分をよく見せようと気張ったり、格好つけようと見栄を張ったりすることがなくなります。
●差別や偏見がなくなる
利他を徹底すると、必然的に平等思想となる為、人に対しては勿論、様々な差別や偏見に気づき、しないようになります。
●自分が分かる
先に説明した通り、利他をすると自分の本当の心が見えてきます。
●宿善となる
先に説明した通り、利他をすると宿善となります。ただ、宿善となるには条件が必要ですので、詳しくは宿善をご覧ください。
●ハラスメントに気づく
現代はパワハラやセクハラ、スメハラ等々、様々な「ハラスメント」と呼ばれる行為が存在します。
一部「される側」の受け止め方にも問題がある場合がありますが、基本的にこれらもいじめと同じ理屈で「する側」に問題がある場合がほとんどです。つまり「やられた側の視点」が抜けている為に起こるものであり、「利他心」が欠けている為です。また、知らず知らずのうちにやっていても同じ事なので、敏感に注意する必要があります。今後も様々な名称の「ハラスメント」が出てくると思いますが、根本的な原因は同じです。⇒ハラスメント
◎利他を知る方法
利他をする時の心がけは一朝一夕には身に付かず、利他をした時の自分の心も中々分かるものではありません。
本当の利他を知る為に有効な方法を幾つか挙げます。
●一般的な方法
次に挙げる方法は一般的なものですが、仏教の目から見ても有効なものです。
○体験
これが1番わかりやすく、1番重要です。体験的に自利利他を感じることができれば理屈は不要です。
・利他の業
具体的には挨拶や親切等、身近なことから始めるようアドバイスしますが、最初は特に「形だけ」になってしまいます。利他をする時に重要なことは、あくまで「心がけ」であって、単に形だけする、ということではありません。この心がけに注意しながら、利他を繰り返していくと、やがて「自然と」利他心が作られていきます。この利他心が作られると、「利他をしよう」と頑張って意識する必要が無くなります。何でもそうですが、最初は難しいことでも習慣になると、人は楽にこなせるようになります。利他も同様です。利他のが身につくと、楽にこなせるようになるのです。
○イメージトレーニング
テレビ等のメディアでは日々多くのニュースが流れます。それらを見て、他人事ではなく自分の事のように想像する力をつける、といった具合です。例えば、酷い事件や事故を見て「かわいそうだな、助けてあげたかったな」と思うだけでなく「自分がその場にいたらどうしただろうか」と想像を膨らませて考えてみるということです。
○帰納法
帰納法の意味については帰納法をご覧ください。身近に生じている分かりやすい事例をよく観察することで、帰納法的に自利利他の真実性を理解することができます。
●仏教的な方法
一般的には使われない、仏教独自の方法を挙げます。
○聴聞
体験して知ってからでは遅い場合が多く、かといってイメージトレーニングや帰納法的に考えただけでは感じ方が弱い場合が多いです。ですので、仏教では上記の欠点を補完した、聴聞という方法を最善の方法として勧めます。詳細は「聴聞を知る」で説明していますが、聴聞によって自利利他の理解が深まります。
○仏教療法
「11の知る」を始め、仏教療法の全てが利他を知る方法となっています。
◎利他を知るのまとめ
利他をせずに仏教の本質を理解することはできません。仏教の求道というと、山にこもって修行するイメージがあるかもしれませんが、これは自利を求める姿であり、方便の仏教といって正しくはありません。自利に執着していると、自利は手に入らないのです。利他を優先する仏教が正しい仏教であり、自利を手に入れることができます。

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