22.やる気の出し方
やる気を出したいけど、どうしても出ない、という人も多いでしょう。
うつ等の心の病を持っている人は、特に強く感じるはずです。
やる気は無理やり出そうとしても、中々出るものではありません。
今回は仏教で教える「やる気の出し方」をまとめます。
実は「読むクスリ」で書いていることは全て、やる気を出す方法を書いている、とも言えるのです。
ですので、詳細は読むクスリを読んで頂ければと思いますが、特に重要な部分を抜粋して以下にまとめます。
方法1:「知って」やる気を出す方法
知ることでやる気を出す方法があります。
知るだけでやる気を出すことが出来れば、即効性は最も高いです。
ただ、「百見は一行に如かず」にも書いていますが、単に「頭で知っている」というレベルではなく、「腑に落ちる」というレベルになることが重要です。
・死を知る
何といってもまず第1に死を知ることです。死の恐怖を知り、解決に導くことが本来の仏教の役割です。死の恐怖を正しく知れば、自ずとやる気は出てきます。詳しくは「死の解決」をご覧ください。
・正しい目的を知る
やる気と言っても「続くやる気」と「続かないやる気」があります。
なぜ、同じやる気でも違いがでるのかと言うと、1つには「正しい目的」に向かっているか否かの違いです。
どんなに、今やる気で満ち溢れているという人でも、目的が間違っていれば、そのやる気は続かずやがてバテるでしょう。
ですので、こちらの「努力はベクトル」でも書いているように、まずは正しい目的を知ることが最重要なのです。
・原因を知る
やる気が出ない、という結果にも必ず原因があります。
これを因果の法則と言います。
やる気が出なくなる行為を、知らず知らずのうちにしてしまっているとも言えるのです。
これについては「やる気が出なくなる行為をしている」をご覧ください。
・利他を知る
仏教では人を幸せにすることを利他と言います。
詳しくは「利他を知る」をご覧ください。
やる気が出ないという状態は、「利他をする心」が弱い状態とも言えます。
例えば、川で溺れている人を見たら、大きな声で助けを呼ぼうとしたり、動き回ると思います。
「助けよう」という利他の心が強く動いている状態だからです。
・自分を知る
自分を知るというのは、客観的に自分を見れるようになる、ということです。
これができるようになると、今まで気づかなかったことに気付くようになり、心が動くきっかけとなるのです。
そもそも、やる気というのは心の問題であって、肉体の問題ではありません。
つまり、やる気を出す為には、心を動かす必要があるのです。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、重要な視点です。
詳しくは「自分を知る」をご覧ください。
・恵まれた環境を知る
うつを始め、心の病は現代病です。
なぜ、こんなに心の病になる人が増えたのかというと、1つには物質的に恵まれ過ぎた為と言えます。
詳細はこれらの記事をご覧ください。
「「贅沢病」な日本人 」
「日本はトップレベルの経済力と自殺率 」
・大切な問題を知る
やる気が出ないという状態は、「大切なことに鈍感」な状態とも言えます。
人生には、失ってからでは遅い問題や、気づいてからでは遅い問題があります。
その為、後悔しないように事前に察知し、行動しようとする人がいます。
そういう、大切な問題に敏感に察知できれば、自ずとやる気は湧いてくるはずです。
詳細は「体感せずに体感する」をご覧ください。
・チリを積む
大きな目的を持ってしまうと、途方も無く大変なように感じ、やる気が無くなると思います。
そんな場合は、目の前の小さな目標を定め達成する、という行為を積み重ねると、やがて大きな目的にいつの間にか近づきます。
・欲を知る
欲は上手く使うとやる気を湧き起こす力となります。
詳しくは「欲と幸せの関係」をご覧ください。
・恐怖を知る
恐怖に敏感になる、というのは悪い事ばかりではありません。
恐怖は逃げると苦しみになり、立ち向かうと楽に変わります。
仏教では色々と怖いことを言いますが、それを嫌な話と聞くか、幸せになる為の材料とするかは、本人の心がけ次第なのです。また、恐怖に立ち向かうと楽になるわけですが、1番の恐怖に立ち向かっている人が1番楽な人と言えます。
仏教では1番の恐怖は死であると説きます。
この死を知り、立ち向かうことが出来れば、これ以上のやる気を出す方法はないでしょう。
詳しくは「死の解決」をご覧ください。
方法2:「行動して」やる気を出す方法
知っただけではやる気が出ない、という場合は、頭だけの理解になっている状態です。
腑に落ちるというレベルになる為には、「行動して」やる気を出すという方法を取る必要があります。
・人を幸せにする
「利他を知る」でも書きましたが、知るだけでなく、実際に行動する場合です。
特に仏教では、自利利他と言って、人を幸せにすると自分も幸せになる、という教えを強く説きます。
人を幸せにする行動をすると、心が晴れ、力が湧いてくるのです。
また、人は自分の為ではなく他人の為なら力が出るという場合があります。
具体例はこちらの「子供を変えた意外な方法」をご覧ください。
・善い事をする
上の「人を幸せにする」とほとんど意味は同じです。
善い事をすると言っても、大きな事をする必要はありません。
挨拶する、手伝いをする、目を見て話す、服装に気を使う等々、これらは全て善い事です。
こちらの「ちょっと気づくだけ」にも書いていますが、結果ではなく善い事をしようと努力する心がけが遥かに重要なのです。
その為、仏教では「結果はカス」と表現したりします。
・しゃべる
基本的には、思った事をポンポンとしゃべるようにしたほうがいいです。
詳しくはこちらの「しゃべらないと怖い」をご覧ください。
ただ、何でもしゃべればいいというわけではなく、出来る限りポジティブなことを言うべきです。
これについは、「「前向きな事を言ったほうがいい」と言われる本当の仕組み」をご覧ください。
・苦しみに立ち向かう
苦しみは逃げるとより一層苦しくなり、立ち向かうと楽になる、という特徴があります。
嫌な事から逃げると苦しくなってやる気がなくなり、また逃げたくなり・・・といった悪循環に陥りやすくなります。
詳しくは「苦と楽の関係」をご覧ください。
・欲を我慢する
基本的に欲を我慢するということは、苦しみに立ち向かうことになる為、楽になり、やる気も湧いてきます。
逆に欲を満たすと、楽に逃げることになる為、苦となり、やる気も失せてきます。
欲については奥が深い為、詳細は「欲と幸せの関係」をご覧ください。
「知る」や「行動する」は、あくまで「腑に落ちさせる為」の手段でしかありません。
腑に落ちれば、必ずやる気が嫌でも湧き起ります。
どうしたら今の自分の腑に落ちさせることができるのか、ということを常に考え、その状況に合わせて最適な方法を選び、正しいやる気を起こし、目的を達成して欲しいと思います。
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