164.相対善悪
相対の意味について以前書きました。
「相対を知る」
この相対という概念は善悪についても当てはまり、相対善悪と言います。
つまり、絶対的に善であることは存在せず、逆に絶対的に悪であることも存在しない、ということです。
代表的なものに「道徳倫理」があります。
道徳倫理は時代や場所によって変わります。
例えば、同じ日本でも100年前と現代では異なりますし、同じ現代でも日本とアメリカでは異なります。
また、「良かれと思ってやった事が裏目に出た」という経験はありませんか?
最初は善と思ってしたことが結果として悪となった、という意味ですが、これは相対善悪を表しています。
人生は選択の連続ですが、厳密には「相対的な善を選択しようとしている」と言えるわけです。
以上が相対善悪の意味ですが、問題はこのような世界に生きている限り悩みは尽きない、ということです。
実は、悩みが尽きない相対の世界から、悩みが無い絶対の世界に導くことが本来の仏教の目的なのですが、これについては別の機会に書こうと思います。
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